【あたしの独り言】①


愛犬を突然失い、空虚感いっぱいの私。
でも、現実は目の前に片付けなくてはならない課題が山積みで
何もなかったように現実をこなしている自分をふと
冷酷に感じてしまったりもする・・・

これは、例えば大切な人を亡くしたときでも
状況は同じなのだろうか。
悲しみにくれて抜け殻みたくなり動けなくなることなど女将には許されないんだろうか。
同じく宿の嫁である友達が、実母が突然倒れ実家へすっ飛んでいったとき「これがシーズン中やったらあたし来れてたんかな・・・」とふと考えてる自分にびっくりしたしなんか悲しくなった、と言った言葉を思い出し、今やっとその気持ちをリアルに重ね合わせることができている・・・

今夜は雪が降りやまない・・・
さあ、この冬のメニューを確定し発注先を決定し
スタッフが迷ったり困ったりしないように準備を整えなければ・・・

発想から現実化し「さ、これでいくよ!」と決断をするのが私の仕事。
思えば、毎日たった一人で試行錯誤しながら、夫婦がそれぞれにとにかくひたすら走り回っていたあの頃とは違い、
今は「了解!」と共に前進してくれるスタッフが私の周りにはたくさんいてくれている。

決定するということがこんなにも力のいることだったかとあらためて実感する今日この頃💧
私も年を取ったということだろうか(〃ω〃)

それにしても。
うちの女性スタッフ達、みんなそれぞれにベルの死に涙し私に暖かい言葉をかけてくれた。
初めて死と向き合った我が家の娘や息子に「 元気をだしてね」とお花を届けてくれた子もいる。

その柔らかな心。
彼女たちのその柔らかな温かさこそが、ベルグの大きな財産であり
13年、
何もできないちっぽけな私でもとにかく誠実にまっすぐに人と向き合うこと、これだけは貫いてきたことで
静かに生まれ、静かに築かれ、いつのまにか結ばれた
大事な関係なのだと思う。

女将とスタッフというだけでなく、彼女等はいつだってまっすぐにこの私と向き合ってくれる。

「優さんだって私と同じ、子を持つ母親なんですよ。休みの日をちゃんと決めて取りましょ!」
四六時中ベルグでいっぱい、いつだってベルグが最優先なのが『当たり前』の中にいた私に、そう言って背中を押してくれ、
いつのまにか履き違えていた当たり前に気づかせてくれたのはmoniちゃんだった。

旦那様と知り合う前のナース時代からの付き合いで
亥である私の、亥そのものの性格をよくわかっており、
時には後ろで私のしっぽをギュッと掴み「ドウドウドウ」と笑ってくれる貴重な存在のsaya。

「優さんまた顔が疲れとるから心配。私にできることあったら言って~」といつも背中をさすってくれるtomoちゃん。

そして私のほとんどがこの仕事に占められていたキッチン&レストランを「優さんの思いをちゃんと引き受けますから!」と必死に実践し更にいいものに育てあげようと努力を惜しまない、本当にいつも愛に溢れるsonoちゃん・・・

もうみんな、長い付き合いになった。
涙も爆笑も怒りも、出会いも別れも、いっぱい、
全部全部、そばで見てきてくれた。
ベルグの変身ぶりも目の当たりにしてきた。
そのうえで今もうちにいてくれているのだから、
私たちにとってこれ以上の宝物はない。

例えば、普段当たり前にできている現実と向き合うだけのことなのにすごく力を必要とするようなとき。
それはそれ、仕事は仕事だろうよ、という考え方もある。
でも私は、
このベルグは、
仲間の心の痛みに寄り添えるチームであり続けたいもんだと
改めて思ったりした。

甘くて結構!!
人間は、感情を持つ生き物。ロボットとは違うのだ!

十数年前『将来どんな自分になっていたいか』と問われたとき、私は本気でこう答えた。

『私にしかできないことしかしない私になっていたいです!』

私はもっと、仲間を頼り、信じ、託して
私にしかできないことだけに集中しまくる図太い神経の持ち主になるのだ。なってやるー!
そしてその私にしかできないことが、私以外の人のお役にたつ
そんな私になりたい。

しかし
今夜は、よく降るなぁ・・・

明日息子は小谷ジュニアスキーのウェアに身を包み
1年ぶりのスキーを楽しむことだろう♪

茶色1色だった栂池は、
すっかり雪景色になりました♪ヽ(´▽`)/