合計8名のOB達とその家族、無事やってきました。
玄関に入ってきた面々は昔とちっとも変わらなくて♪悲鳴と共に抱き合い、学生時代とぜんぜん変わらない懐かしい笑顔との再会を喜び合いました。
この世代だけが持つ特徴は、私達を「宗さん、優さん」と呼ぶことでしょう。
彼らと共に過ごした頃は、先代から社長・女将を引き継ぐ前。私達も彼らと同じ制服を着て、寝起きも食事も共にして、常に一緒になって働いていました。経営者と従業員というより、大家族そのものでした。
だからこそ関係性も強いのだと思います。
今は旦那様の右腕として大事な社員である隼平(Jさん)も最初はアルバイトとしてベルグに来て今年でもう10年目、ちょうど私達が会社を引き継いだ年からいてくれています。
日々社員として、みんなとは別の役割を担わなければならないJにとっても、今日は懐かしい住込仲間、心許せる同志との久しぶりの再会となります。やはり普段見せることのない、Jらしい笑顔がこぼれていて、私もうれしくなりました。
職種や業界は違えど抱える問題・ストレスはみんなそう変わらないようです。
部下や後輩を指導する、注意する、“きちんと仕事をしてもらう”ということの難しさ、
職場も自分もどうモチベーションを維持するのか、
各自本当に厳しい環境の中で、皆もがき悩みながらもそれぞれが日々成長している様子が伺えました。
ちょうど今、出会った頃の私達の年齢になった彼ら。「あの頃の何にも知らなかった僕ら相手に、宗さんや優さんがどんなに大変だったかとか、なんで怒られたのかとか、ホントにやっとわかるようになりましたもん」
「学生時代をここで過ごせてホントよかったです。子供も居候させたいと思ってますもん」
この子らの口からこんな言葉が出てくるようになるとは、いやいや長い時が経ったんだなぁと感慨深くなりました。
ベルグでのほんわかな日々とは全く違い、みんな都会で社会にゴリゴリと揉まれながら真摯に懸命に働いていることがよくわかり、
確かに働くとはそういうことであったなと、思い出したりもしました。
みんなが持ち寄ってくれたたくさんの美味しいお酒とつまみを囲み、
代わる代わる、一人一人がお酌をしてくれ、
「抱いてやってください」と可愛い赤ちゃんを抱っこさせてくれ、
「優さんはいいから座ってて」と肩をもんでくれ。。。
私達を尊み労ってくれるという、本当に勿体ない幸せな気持ちを久しぶりに味わわせていただきました。
結婚し子供が生まれ守るべき家庭を持ったその責任と、会社と顧客に対する自分が背負う責任とで押し潰されそうになっていたスケ。
まだ子供も8ヶ月と小さいから今回は見送ろうと思っていたけれど、ある日の会社からの帰り道、ふと「やっぱり行こう!」と心に決め、奥さんに「俺やっぱりベルグ行くから!」と言ったら「うん、じゃ行こう♪」と言ってくれ、急遽来ることにしたんだと話してくれました。
「優さん、僕、ホンっトに来てよかったです!なんか・・・懐かしいのと、なんなんだろう・・・僕、また頑張ります!」と笑いました。
うんうん、お前なら大丈夫だよ!相当な不器用だけどお前はズルをしないもの。誰よりも優しくて誠実なお前を神様は見捨てないさ♪
33才にして二度目の転職が決まりその報告に来てくれたシラコ。決してひけらかすことなくいつも軽~く柔らかくいるシラコだけど、それは正にこれまでコツコツと培ってきたものを最大に生かす、自分で作り上げたキャリアと自信と実績が掴みとったものであり、次の会社がいかに彼を買っているかがよくわかることでした。「お前は大したもんだなぁ」「ほんとによくやったなぁ」と旦那様に誉めていただくと「いやぁ、宗さんにそう言っていただけてよかったです。なんかホントにわかってくれる人少なくて」と笑いました。
みんなそうですが、特に彼にとってはベルグは特別な場所なんだと思います。仕事の関係もなく学生時代の友人とも違う、普段東京では絶対に見せることのない自分がここにはいて、自分だけが持ってる「生き直しスイッチ」がきっとここにはあるんじゃないかと思います。
彼が学生から社会人になってから今日まで流れた時間は10年。みんな同じ10年です。その10年で、私達はJの中に何を残してやれたかと考えました。まずはベルグが自力で立ち上がるためにずっと一緒に奮闘してきてくれたJ。
今ようやく旦那様と二人、会社にとって一番大事とわかっていながらできないできた中枢業務を確実に遂行する部隊を作り動き始めました。
経営者であるならば、Jの中にも経験と自信と実績を積み重ね、いづれ自分の力で生きていけるくらいのものを残してやらなきゃいけないと、それは役目だと痛感しました。
楽しい時間はあっという間に過ぎ・・・
翌朝はスカーっと晴れ渡りました☆
全身に染み入るこの澄んだ冷たい空気が二日酔いの面々には一番の薬だと思い、
「さあ!久しぶりにみんなで滑りに行ってきな!山が何かくれるから♪自分で何かひとつでいいから拾ってこい!(^^)」
そう言って、スキーはしないつもりで来たサキとスケにもレンタルフルセット用意してやりました。
大学時代居候でいた四年間、毎日毎日出かけていったゲレンデです。バンブー3世代、久しぶりの勢揃いで出掛けます。
ウェアに身を包んで集まった姿を見たらなんだか懐かしく、胸が熱くなりました。
いきなり馬の瀬コースからスタートし、白樺、ハン3と栂池の広い広いゲレンデを駆け回って帰って来た四人。
「優さん!よかったです~♪も~、すっごい気持ちよかったです!」と
頭も心もスッキリした顔でみんな帰ってきました。
「そうか・・・
ベルグのあり方とはこれなのかもしれない」
ここに来て、
ここの空気を吸い、
安心な食材を使った美味しいものをゆっくり食べ、
星空を眺め、風を浴び、
寝心地のいい寝具でどで~んと大きくなって眠り、
いらぬ人間関係に色目を使うことなくのびのびとしゃべり、
誰にもなんの邪魔もされないで個を守ることもできる。
心にも体にも頭にも【本物】を取り込むことでたくさんの英気を養って
そしてまた、それぞれの日常へと
昨日とは違う私になって帰っていく。
疲れたらいつでもおいで。。。
何の知識も力もない私達新米夫婦と、今では考えられない量の仕事を誰もがなんでもこなし、朝から晩まで共に闘ってくれた彼らから
今日は私が学ばせてもらい、パワーをもらい♪
すごく大事なものを掴んだ気分です!
みんなありがとう♪優さん、すっかり丸まっていた背筋が伸びたよ!
またきてね、いつでも待ってるから👋
さあ!今日からまたそれぞれの場所で、
がんばろうp(^-^)q